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「遠くの親類より近くの他人」の例外が、まさにコレ。

2021.09.21 (火)

 

「遠くの親類より近くの他人」
ということわざがありますよね。

私が言うまでもないですが
意味あいとしては

遠方にいる親類よりも
近隣にいる他人の方が頼りになる。

また、疎遠な親類よりも
親密な他人のほうが助けになる。
(引用:デジタル大辞泉)

です。

このことわざが示すのは
「距離」の重要性で

一般的に距離が近い方が
お互いの理解が深く
いざというときに助けになる。

ということなんだろうと思う。

もちろん、私も異論はない。

が、例外もあるんですよ。

その最たる例が、事業承継(M&A)。

私がM&Aの仕事をはじめる
きっかけになったのが
まさにそれだったから。

13年前のある日
縁もゆかりもない地域の
縁もゆかりもない社長から

事業承継の相談を受けた。

ありがたいと思う反面
不思議に思って率直に聞いた。

「なぜ私に?遠いですよって(爆)」

そしたら社長に

「縁もゆかりもなく
遠いから君に相談したんだよ」

「身近に相談して
もし銀行・取引先・社員に
ばれて変な噂に
なったらどうするんだよ」

「だからうちのエリアに
支店とか出す予定、ないよね?」

って。

おそらく多くの皆さんは
そんな、心配し過ぎでしょ!

とか

取引銀行さんであれば
我々は秘密を守りますよ。心外な。

なんて異論や反論があると思う。

でもね。これが現実なんです。

10数年前に比べれば
事業承継やM&Aを支援する
地域金融機関や公的窓口も増え

ネットマッチングも拡大するなど
門戸も広がり手軽になった。

事業承継やM&Aを
後ろめたく思うことは
減ったとは思うが

それでもいまだに
遠方かつ
いままでご縁のなかった
社長からの相談が
コンスタントに入りますから。

そう。

近くに相談窓口や
対応可能な機能をつくれば

地域の事業承継問題が
全て解決することはありえない。

だって理屈ではなく

「身近な人に知られたくない」

っていう感情だもん。

事業承継問題が
社会問題として
クローズアップされるようになり

全国各地で機能面の拡充が
急ピッチで進みましたけれど

思ったほど相談件数がなく
なんだか拍子抜けした。

なんて愚痴?いや相談を
聞く機会があったもんですから
今日はこんなことを書いてみた。

たやすいことではないけれど
機能の拡充にとどまらず

感情に寄り添うにはどうあるべきか?

をセットで考えてくださいませ。

ここが抜け落ちると
いつまでたっても本当の解決はない。

と私は思うのです。

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