
株式会社
北海道 PVGS
昨日は「DCF法」――
“未来の実力”を現在に写す鏡、
というお話をしました。
https://hokkaidopvgs.jp/date/2025/11/12/
今日はその兄弟とも
いえるもう一つの方法、
「マルチプル法(Multiples法)」を、
できるだけシンプルにご紹介します。

■“いま”の相場感で価値を測る方法
DCF法が「将来の稼ぐ力」から
企業価値を考えるのに対し、
マルチプル法は
「いまの市場の評価=相場」を基準にします。
たとえば、
ある上場企業の株価が
純利益の10倍で取引されていたとします。
(つまり、PER=10倍という状態ですね)
もしあなたが似たような
規模や業種の会社を評価したいなら、
その「10倍」という
“相場のものさし”を当てはめて、
自社や他社の価値をざっくり推定できる。
これがマルチプル法の考え方です。
■具体的にはこう使います
たとえば以下のような
指標(マルチプル)がよく使われます。
・PER(株価収益率):株価 ÷ 純利益
・EV/EBITDA倍率:企業価値 ÷ EBITDA(営業利益+減価償却費など)
・PBR(株価純資産倍率):株価 ÷ 純資産
同業他社の平均倍率を参考に、
「自社ならどのくらいの価値が妥当か」を
推定するのが基本的な使い方です。
■メリットと注意点
マルチプル法の良いところは、
シンプルでスピーディーに計算できる点。
DCF法のように将来予測や
割引率の設定をしなくても、
“市場の声”をすぐ反映できます。
一方で、
その“相場”が過熱していたり
冷え込んでいたりすると、
本来の実力とかけ離れた
評価になるリスクもあります。
つまり、
マルチプル法は「市場の温度計」、
DCF法は「会社の体温計」と言えるかもしれません。
■経営者にとってのヒント
DCF法で“未来の実力”を見極め、
マルチプル法で“いまの相場”を把握する。
この両輪がそろうと、
企業価値をより立体的に
捉えられるようになります。
「未来をどう描くか」と
「いまをどう見せるか」。
この2つの視点を
行き来できる経営者は、
数字を“経営の言葉”として
使いこなせる人だと
垰本泰隆は思います。
以上を私なりにまとめると――
マルチプル法とは、
“市場の目線”で会社のいまを映す鏡。

企業価値というテーマが、
ぐっと身近に感じられるはずです。
以上、三日間にわたり書いた
企業価値評価シリーズ、
皆さんの参考になれば幸いです(^.^)
=====================
↓ビジネスに役立つ気づきを配信!
メルマガ「ご縁ゴト」お申し込みは下記より↓
https://bit.ly/3o1Odl1
昨日は
「時価総額は“人気”、企業価値は“実力”」
というお話をしました。
https://hokkaidopvgs.jp/date/2025/11/11/
では、その“実力”
――つまり企業価値は、
実際どのようにして測るのでしょうか?
というわけで
今日はその代表的な方法、
DCF法(ディスカウント・キャッシュ・フロー法)
について、できるだけわかりやすく書いてみますね。
■ 会社の価値は「未来の稼ぐ力」で決まる
DCF法は一言でいうと、
「これから先、
この会社がどれだけお金を生み出すか」を
現在の価値に換算して計算する方法です。
たとえば、
あなたがある会社を買うとしたら、
“これから何年にもわたって
どのくらい儲かるか”を考えますよね。
その“未来の儲け”を、
いまの価値に直したもの――
それがDCF法がはじき出す企業価値です。
■ “未来のお金”は“いまのお金”より価値が低い
ここで登場するのが「ディスカウント」という考え方。

たとえば、
「1年後にもらえる10万円」と
「今すぐの10万円」、どちらがうれしいですか?
と聞かれたら、ほとんどの人が
「今すぐの10万円」を選ぶはず。
時間が経つほど、
とくに今なら実感いただけると思いますが
インフレの影響などで、
“未来のお金”の価値は下がるからです。
DCF法では、
この時間の価値を反映させるために、
割引率(リスクや金利を考慮した率)を使って
将来のキャッシュフローを
「いまの価値」に直していきます。
■ 数式でいうとこうなります
企業価値=将来のキャッシュフローの合計÷1+割引率)ⁿ
(※実際には複数年分をそれぞれ割り引いて足し合わせます)
つまり、DCF法で出てくる企業価値とは、
“未来に稼ぐ力を現在に写したもの”。
株価のように
市場の人気で変わるものではなく、
その会社が本当にどれだけ稼ぐ力を
持っているかを
冷静に見つめるための“ものさし”です。
■ 経営者にとってのヒント
DCF法を理解すると「どうすれば
企業価値を高められるか」も見えてきます。
たとえば、
・無駄な投資を減らし、安定してキャッシュを生む
・将来のリスクを下げ、割引率(=不安)を小さくする
・継続的に“稼ぐ仕組み”を整える
こうした取り組みが積み重なるほど、
会社の“未来の実力”は上がっていきます。

以上を垰本泰隆なりにまとめると――
「DCF法とは、“未来の実力”を現在に写す鏡。」
人気に左右されず、
“会社の本当の力”を見抜く視点を持つと、
経営も投資も、ぐっと面白くなり
頭痛のタネだけじゃなくなると私は思います。
=====================
↓ビジネスに役立つ気づきを配信!
メルマガ「ご縁ゴト」お申し込みは下記より↓
https://bit.ly/3o1Odl1
昨日のランチの席で、
「ニュースとかで
“時価総額〇兆円突破”って聞くけど、
それって“企業価値”と、どう違うんですか?」
と聞かれました。
言われてみれば確かにですが、
この2つ、似たような言葉に見えて、
実はまったく違う意味を持っています。
というわけで
今日は時価総額と企業価値の違いを
ざっくりと説明します。

この2つ、たとえるならば――
時価総額は
「この会社の“いまの人気度”」。
株価×発行済株式の数で決まり、
株式市場でどれだけ
評価されているかを示します。
一方の企業価値は
「この会社の“本当の値打ち”」。
株主の持つ株式だけでなく、
借金や手元の現金まで含めた
“会社全体の価値”を表します。
式にすると、
企業価値=時価総額+借金-現金
つまり、たとえ株価が高くても、
借金が多ければ“企業全体の価値”は
それほどでもない場合もあります。
逆に、手元資金が潤沢なら、
見た目以上の価値を持っていることも。
株式市場がつける“いまの評価”が「時価総額」、
会社の中身を含めた“実際の価値”が「企業価値」。

この違いを意識して
ニュースなどを見てみると、
企業を見る目が一段深まります。
以上を垰本泰隆なりにまとめると
「時価総額は“人気”、企業価値は“実力”。」
数字の奥にある“中身”を
見られるようになると、
経営の世界はもっと面白くなりますよ♪
=====================
↓ビジネスに役立つ気づきを配信!
メルマガ「ご縁ゴト」お申し込みは下記より↓
https://bit.ly/3o1Odl1
スタートアップ界隈のみならず、
いまや広くビジネスの世界で定着しつつある「壁打ち」。
垰本泰隆も、
壁打ちをお受けしたり、自らお願いしたりと、
欠かせない取り組みのひとつになっています。
思考を整理した結果、
調べるべき内容が明確になり、
まったく違う切り口から課題にアプローチできる、
そんな効果があるのが「壁打ち」です。
とはいえ一方で、
「効果的な壁打ちの方法は?」
「壁打ち相手を務めるときの心構えは?」
といった声を少なからず耳にします。
というわけで今日は、
そんな疑問や不安に“てきめん”に応えてくれる一冊、
『壁打ちは最強の思考術である』を紹介します。
![]() |
著者の伊藤羊一さんは、垰本泰隆も注目している
「日本初のアントレプレナーシップ学部」
(武蔵野大学アントレプレナーシップ学部)の学部長。
また、ベストセラー『1分で話せ』の
著者としても知られています。
![]() |
本書はまさに、
壁打ちに関する“書籍版・壁打ち”と呼べる内容。
読むことで「どうすれば効果的に壁打ちできるか」が
スッキリ整理されていきます。
壁打ちを「する側」にも、「される側」にも役立つ構成で、
たとえば――
・著者が実際に使っている「3つの問い」
・悩みやモヤモヤに応じた「壁打ち相手のタイプ」
・言葉に詰まったときにラリーを続ける「便利フレーズ集」
といった実践的な内容が盛り込まれています。
さらに興味深いのは、この本自体が
著者と編集者との「壁打ち」から生まれたという点。
思考の整理が、書籍という成果に結実した好例です。
『壁打ちは最強の思考術である』
![]() |
===ここから目次===
Introduction
第0章 仕事がデキる人は「思考」をしている
第1章 すべての人が壁打ちをすべき7つの理由
第2章 壁打ち実践編1 プロジェクトのはじまりに壁打ちする
第3章 壁打ち実践編2 プロセスの途中で壁打ちする
第4章 壁打ち実践編3 ふり返りながら壁打ちする
第5章 壁打ちをアップグレードするテクニック10選
第6章 いつかあなたに「壁打ちしたい」という人が現れる
第7章 壁打ちと共に人生が豊かになった
終章 僕たちは壁打ちしながら生きている
===目次ここまで===
また本書では、
生成AIとの「壁打ち」を行う際の注意点にも触れています。
同じ質問でも、
ChatGPT、Gemini、Grok、Copilot、
それぞれ異なる答えが返ってくることなど、
AI時代の壁打ちに役立つヒントも満載です。
『壁打ちは最強の思考術である』
![]() |
モヤモヤを抱える起業家や
ビジネスパーソンはもちろん、
壁打ちを受ける立場の経営者、
マネージャー、メンターの皆さんにも
これは必読の一冊です。
=====================
↓ビジネスに役立つ気づきを配信!
メルマガ「ご縁ゴト」お申し込みは下記より↓
https://bit.ly/3o1Odl1
スタートアップにおいて
とくに欠かせないのが「ビジネスモデル」の構築。
と書くと、歴史と伝統ある会社さんの中には、
「うちはビジネスモデルが確立しているから関係ないよ」
と感じる方もいるかもしれません。
――が、果たして本当にそうでしょうか?
変化のスピードが極めて速い今の時代。
長年勝ち続けてきたビジネスモデルが、
あっという間に陳腐化してしまい、
気づいたときには危機的状況に……。
そんなことが、誰もが知る大企業でも起きています。
そのような局面で多くの会社が考えるのが、
「新しい商品やサービスを早く立ち上げよう!」という発想。
もちろん、それもひとつの解決策です。
しかし、新しいものを生み出すには
コストも時間もかかりますし、
外れてしまったときのリスクも大きい。
だからこそ、垰本泰隆はその前に
“ビジネスモデルを見直す”ことを提案することがあります。
そしてビジネスモデルを見直すときに役立つのが、
すでに存在する他社の事例です。
とはいえ――
「他社の事例を知るのも一苦労だよ!」
という声をよく聞きます。
そんな方におすすめしたいのが、
今日ご紹介するこの一冊。
『もうけの仕組み ビジネスモデル大図鑑』
![]() |
本書は、株式投資のバイブルとして知られる
「会社四季報 業界地図」編集部が制作し、
さらに『模倣の経営学 ~偉大なる会社はマネから生まれる~』
![]() |
の著者でもある、早稲田大学の井上達彦教授が監修しています。
上場企業404社をピックアップし、
各社をビジネスモデルの視点から分析した、
本書はまさに「会社四季報 業界地図」のビジネスモデル版ともいえる内容。
===ここから目次===
はじめに
監修者メッセージ
第1章 取引の図解の基本 ビジネスモデルを理解しよう!
第2章 事例で学ぶもうけの仕組み 9つの基本パターンを理解しよう!
第3章 注目企業の強さの源泉 ビジネスモデルの組み合わせに注目!
第4章 ランキングで見る 9つのビジネスモデルの実力
巻末特集 上場404社のビジネスモデルを独自分析! 9つのモデルのどれに該当?
===目次ここまで===
個人的には
「株式投資にもメッチャ役立つ!」と思いつつ、
そこはさておき(笑)、
どの企業がどんなビジネスモデルを採用し、
その結果どんな収益構造・財務構造を築いているかを、
9つのパターンに分類し、図解でわかりやすく解説しています。
特に印象的だったのは、
同じ業種でもビジネスモデルの違いによって
こんなにも利益率が変わるのか!という点と、
全く違う業種なのにビジネスモデルが同じという発見。
本書を読むことで、
ビジネスモデルがいかに企業の命運を左右するか、
そして、その選択がどれほど重要かを実感できると思います。
『もうけの仕組み ビジネスモデル大図鑑』
![]() |
監修者・井上教授の言葉、
「偉大なる会社はマネから生まれる」。
この金言は、私も常日頃から意識している考え方です。
スタートアップ経営者だけでなく、
時代の変化の中で
「これまでのやり方が合わなくなってきた」と
感じている多くの企業経営者に、
ぜひ読んでいただきたい一冊です。
『もうけの仕組み ビジネスモデル大図鑑』
![]() |
=====================
↓ビジネスに役立つ気づきを配信!
メルマガ「ご縁ゴト」お申し込みは下記より↓
https://bit.ly/3o1Odl1
| 日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | ||||||
| 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 |
| 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 |
| 16 | 17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 |
| 23 | 24 | 25 | 26 | 27 | 28 | 29 |
| 30 | ||||||