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ご縁ゴト
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「イケズ」の裏側にあるもの――京都人に学ぶ、対立を避けて合意形成する知恵

2026.09.25 (金)

 

突然ですが(いつもか。笑)
皆さんは「京都人」と聞いて、
どんなイメージを持ちますか?

本音が分かりにくい。

言っていることと、
腹の底で思っていることが違う。

そんなイメージを持っている方も、
結構多いのではないでしょうか。

垰本泰隆も以前は
そんなイメージを持っていました。

が、京都の方と仕事をする機会は割と多い。
(昨日もそうでした。)

そして、実際に仕事をご一緒してみると、
世間で言われている「京都人」のイメージとは、
ちょっと違うなと感じることがあるんですよね。

そもそも京都は、日本を代表する
グローバル企業が数多く生まれた土地でもあります。

優れた技術やビジネスを生み出す起業家も多い。

では、なぜ京都には、
独特のコミュニケーション文化があるのだろう?

そんな私の「もやもや」に応えてくれたのが、
『京都人が教える ずるいけどうまい合意の技術』

京都人が教える ずるいけどうまい合意の技術

著者は、京都で行政書士として活動する服部真和さん。

景観、まちづくり、民泊、看板規制など、
住民・事業者・行政の利害が
ぶつかりやすい案件に数多く関わり、
300件を超える民泊案件では
合意形成率100%という実績を持つ方です。

本書では、京都特有の
コミュニケーションがなぜ生まれたのか、
その背景をひも解きながら、

著者自身の経験や心理学などをもとに、
対立を避けながら合意形成していくための
具体的な技術が紹介されています。

京都のコミュニケーションというと、
どうしても「イケズ」を思い浮かべてしまいます。

ところが、本書を読むと、
これまで「嫌味なのかな?」と
思っていたようなコミュニケーションにも、
別の見方ができるようになります。

つまり、
・相手と正面衝突しない。
・相手の立場をつぶさない。
・その場の関係を壊さない。

そして、
最終的に話を前に進める。

そう考えると、
「イケズ」も単なる意地悪ではなく、

長く続く人間関係の中で
摩擦を避けるための
知恵として見ることができます。

『京都人が教える ずるいけどうまい合意の技術』

京都人が教える ずるいけどうまい合意の技術

===ここから目次===
序 章 争わへんでもうまくいく京都の秘密
第1章 合意にもっていける人だけが知っている9つのこと
第2章 説得しないのに、話がまとまる対話術
第3章 水面下で9割決まる「戦略的根回し」
第4章 調和という着地点を最高のものにするために
おわりに 正しさがぶつかる時代の最適解
===目次ここまで===

私が特に印象に残ったのは、次の一節です。

「京都がたくさんの
『争いの火種』を抱えながらも、
それが燃え広がらないのは、
京都人の日常が
小さな『折り合い』で溢れているから」

なるほど、と思いました。

ビジネスをしていると、どうしても
「正しいことを言えばいい」と考えてしまいがちです。

特に経営者や
CFOとして仕事をしていると、
数字や法律、契約など、
白黒をはっきりさせなければ
ならない場面も少なくありません。

でも人間関係は、そう簡単にはいきません。

正論をぶつければ相手が納得するとは限らない。

論破したからといって、次の仕事がうまくいくとも限らない。

むしろ、一度相手を負かしてしまうと、
その後の関係にしこりが残ることもあります。

だからこそ、
「どう正しいことを伝えるか」だけではなく、
「どうすれば相手と折り合いをつけながら前に進めるか」
という視点が大切になる。

これは、経営でも同じです。

・社内の意見調整。
・取引先との交渉。
・株主とのコミュニケーション。
・M&Aにおける利害調整。
・IPO準備における社内外の関係者との調整。

どれも、正論だけでは前に進みません。

本書で紹介される
「戦略的根回し」という考え方も、
ビジネスの現場ではかなり使えると思います。

根回しというと、
何となく「裏でコソコソやる」
という悪いイメージがあります。

でも、本書でいう根回しは、
相手をだますことではありません。

事前に情報を共有し、
相手の考えを知り、場を整えておく。

つまり、会議の場でいきなり
「どうですか?」と聞くのではなく、
会議に至るまでに関係者との
「小さな折り合い」を積み重ねておくわけです。

これなら、
会議そのものが「勝負の場」になりません。

私は、これは経営者にとって
かなり重要な技術だと思います。

そして、これからの日本では、
ますます重要になるのではないでしょうか。

インバウンドの増加や外国人との交流、
多様な価値観を持つ人たちとの共存など、
これまで以上に「自分とは違う人」と
関わる機会が増えています。

そんな時代に必要なのは、
相手を論破する技術ではなく、
違いを抱えたまま、どうやって一緒に
前へ進むかという技術なのかもしれません。

そう考えると、
「京都人の知恵」は、
京都だけのものではありません。

むしろ、これからの日本社会に
必要なコミュニケーションの知恵なのではないか。

『京都人が教える ずるいけどうまい合意の技術』

京都人が教える ずるいけどうまい合意の技術

そんなことを考えさせられる一冊でした。

余計な話ですが、
これをみんなができるようになったら、
世界はもっと平和になるかもしれません。

……まあ、さすがにそこまでいくと、
ちょっと「ずるいけどうまい」話ですかね(笑)

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