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非上場株取引の規制緩和とは?金融庁の制度見直しを投資家・経営者目線で解説【第1回】

2026.06.16 (火)

 

先月中旬、日本経済新聞で
興味深い記事が報じられました。

それが、
「非上場株取引、個人に門戸
中小企業役員らの参入へ金融庁が要件緩和」
(参考記事は下記のリンクをご覧ください。)
https://x.gd/A2e2B

この報道以降、垰本泰隆のもとには、

「未上場企業に投資してみたい」
「自社の資金調達の選択肢になるのではないか」
「エンジェル投資を受けるチャンスが広がるのでは」

といった問い合わせが、
投資する側・投資を受けたい側の
双方から複数寄せられています。

そこで本日は、
このテーマについて
お届けしたいと思います。

投資する側。投資を受けたい側。

それぞれの立場から、
制度改正によって何が変わるのか?
どのようなメリットやデメリットがあるのか?

ベンチャーキャピタリスト、
社外CFOとしての経験も踏まえながら、
私なりの視点で整理してみたいと思います。

■そもそも何が変わるのか?

今回の報道によれば、
金融庁は非上場株を取引できる
個人投資家の要件を緩和し、

中小企業の役員などにも
参加の門戸を広げる方向で
制度見直しを進めています。

背景にあるのは、
日本全体の課題でもある
「成長資金の供給不足」です。

日本では長年、「貯蓄から投資へ」が
政策課題として掲げられてきました。

しかし、その投資の多くは
上場株式や投資信託に向かっており、


本来成長資金を必要とする
スタートアップや中小企業には、
十分なリスクマネーが
届いているとは言い難い状況です。

そこで今回の制度見直しでは、
一定の知見や経験を有する個人が、
非上場企業へ投資しやすい
環境を整備しようとしているのです。

もし制度が本格的に整備されれば、
日本のエンジェル投資市場にとって
大きな転換点になるかもしれません。

■私はこの動きをどう見ているか?

率直に申し上げると、
私はこの方向性そのものには賛成です。

なぜなら、
日本のスタートアップや地域企業には、
銀行融資だけでは賄えない成長資金が必要だからです。

新技術の社会実装。
新規事業への挑戦。
事業承継後の第二創業。

こうした場面では、
リスクを取る資本の存在が不可欠です。

一方で、非上場株投資は
上場株投資とは全く異なります。

毎日株価が表示されるわけではありません。
売りたい時に売れるとも限りません。
情報開示の水準も企業によって大きく異なります。

夢のある世界である一方、
高い専門性と自己責任が
求められる世界でもあります。

だからこそ、単純な規制緩和だけではなく、
投資家教育や情報開示の充実も
同時に進める必要があると考えています。

■投資する側・受ける側の双方に求められるもの

投資する側は、
「儲かりそうだから投資する」ではなく、

「この経営者を応援したい」
「この事業が社会に必要だ」
「長期的に企業価値向上を支援したい」

という視点が、
これまで以上に重要になるでしょう。

特に非上場株投資は、
「企業に投資する」というより、
「経営者に投資する」側面が
強いと私は考えています。

一方、
投資を受ける企業側にも覚悟が必要です。

資金が入るということは、
株主が増えるということ。

株主が増えるということは、
説明責任が増えるということでもあります。

ガバナンス。情報開示。株主対応。

これらは上場企業だけの話ではなく、
未上場企業にも求められる時代が
近づいているのかもしれません。

■地方創生の切り札になる可能性も

私は、この制度がうまく機能すれば、
地方創生にも大きなインパクトを
与える可能性があると考えています。

地域には優れた技術やサービスを持ちながら、
成長資金不足に悩む企業が数多く存在します。

一方で、
地域には成功した経営者や資産家も存在します。

両者をつなぐ仕組みが整えば、
「地域のお金が地域の成長企業を育てる」という
新しい資本循環が生まれるかもしれません。

これは単なる投資制度の見直しではなく、
日本の産業構造や地域経済の在り方を変える
可能性を秘めた改革なのではないでしょうか。

■明日は「投資する側」の
メリット・デメリットを解説します

明日は、
・未上場株投資の魅力とは何か
・どのようなリターンが期待できるのか
・どんなリスクがあるのか
・投資家が注意すべきポイントは何か

について、
ベンチャーキャピタリストと
社外CFOの経験と視点から
整理してみたいと思います。

非上場株投資は、
大きな可能性を秘めています。

しかし、その可能性を生かすためには、
制度の理解と冷静な判断が欠かせません。

以上、皆さまの参考になれば幸いです。

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